- 作者: 舞城王太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/12/07
- メディア: 新書
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僕がまー君の猫殺しに気がついたのは僕とまー君が二人とも十一の時、つまり同じ保育所に通っていた僕たちが一緒に西暁小学校に上がり、同じ教室で勉強し始めた五年目の頃だった。――文芸界を駆け抜ける舞城王太郎の第一短編集が満を持してノベルス化。猫殺しの「まー君」をめぐる表題作『熊の場所』を含め、『バット男』『ピコーン!』の全三編を収録。何が飛び出すかわからない舞城王太郎ワールドが炸裂する!!
読了。
なんというか、ミステリーと純文学のボーダー/ハイブリットで勝負しようとしているのが「よくわかる」作品集。でもなんだろう、表題作の『熊の場所』はなんだかとっても説明過多。つまりわかりやすいというか、それでも文圧に圧倒されて読んでしまう/読まされてしまうので細部があんまり気にならない。ドライヴ感はやっぱり本物だねい。
特におもしろかったのが書き下ろしの『ピコーン!』で、どうしておもしろいかっていうとエロくて行動力あって頭のいい女の子が主人公だから(笑)。彼女の行動を追っていくだけでその、舞城王太郎がやろうとしている「祈り」とか「救い」みたいなものが説明しなくてもちゃんと描けているっていうのがずいぶんとKAUSKAは好きなのだなぁって思いました。うん舞城はやっぱり頭のいい女の子を描くのがうまいねぇほんと。
まぁ厳密に言うと自分のことが頭がいいとか思っている男の好みに合うような/つりあうような頭のいい女の子を描くのが、かな(笑)。