すべてはゼロから始めるために

小説家志望の雑記です。

『マルドゥック・ベロシティ1』

マルドゥック・ヴェロシティ〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)

マルドゥック・ヴェロシティ〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)

楽園の解体、覚醒する虚無
戦地において友軍への誤爆という罪を犯したディムズデイル=ボイルド。肉体改造のため軍研究所に収容された彼は約束の地/グラウンドゼロへの墜落のビジョンに苛まれていた。そんなボイルドを救済したのは、知能を持つ万能兵器にして、無垢の良心たるネズミ・ウフコックだった。だが、やがて戦争は終結、彼らを“廃棄”するための部隊が研究所に迫っていた……『マルドゥック・スクランブル』以前を描く、虚無と良心の決別の物語

=と/が多用されたJ・エルロイ文体がすんげぇ疾走感を、かつ説明文なのに説明文を読んでいる時の味気なさをうまーく中和している。今月のS-Fマガジン 2006年 12月号 [雑誌]にもあったが、これはサイバーパンクというよりも山田風太郎。「09」の設定は「009」ですな。

でもむしろ読むべきところは「09」の仲間たちのウィットに富んだ下世話な会話と、そのアットホームさにあるように思われました。
彼らがこれからひとり残らず殺戮されて、「ボイルド」は虚無へと失墜していく。
身震いしました。アットホームな、和やかなシーンを読んでいるのに、ふいにその「ビジョン」に襲われておれは「ボイルド」ほど冷静ではいられませんでした。
その兆しが「カトル・カール」、得体の知れない巡回牧師/サーキット。
2巻も早く届かないかなぁ〜。