すべてはゼロから始めるために

小説家志望の雑記です。

『マッハ!(2003)』

賀東招二が『ライトノベルを書く!』の中で勧めていた一品。ちなみにアクションシーンに一家言持つ2000トンの雨君もお勧めしてくれたので、またまた資料として見ていたものです。カードを更新したら割引チケットがついてきたので、この頃貪るように見ております。

ストーリーはタイのある村で「オンバク」という仏像の頭部が盗まれ、それを取り戻すために主人公「ティン」が街へ向かう、といった感じです。街では成り行きでバーの非合法賭け勝負に参戦したり、古美術の盗品を売り捌くブローカーと対決したりと随所に見応え最強の戦闘シーンが満載でした。
今作ではワイヤーやCGやスタントを一切使わないというウリで、一時期流行ったので記憶している人もいるかと思います。
わたくし、この作品で不覚にも涙してしまいました(ちょっぴりですがね)
そのシーンは、主人公が二度目の賭け勝負に参戦して相手を徹底的に叩きのめすところでした。
この主人公、実は冒頭でムエタイの師に、その技を使うことを禁じられています(師は昔ムエタイで人を殺してしまい、同じ轍をふませないため)。しかし主人公はバーのウエイターが自分のせいでぼこぼこにされるのを見かねて、勝負を受けます。そして戦闘は主人公の圧倒的優勢で進んでいきます。
ムエタイを使って闘ってはいけないのに、闘わざるを得ない。
闘って闘って相手をぶち倒さなければならない。
主人公は一発一発、相手が諦めるまで苛烈に、しかし優しく打撃を繰り出します。
その一発一発に込められている罪悪感。。。
戦闘シーンの終幕には、主人公の闘いを祝福するようにコインの雨が降り注ぎます。とてもきれいに描かれます。
本当は喜ぶべきシーンなんでしょうが、なんだか悲しくて寂しくて、ついぽろりと泣いてしまいました。

感情が伝わってくる/感情を誤読できる戦闘シーンというのを本当に久しぶりに見ました。
ジェヴォーダンの獣』の騎士フロンサックが、すでに気絶した相手をさらに壁にめり込ませた飛び蹴り以来でした。
ただ後半はなんか禁とか気にせずにばったばったと蹴っ飛ばしていくので、そのあたり、あれー?ってなってました。
わたくしのなけなしの涙はなんだったの?と(笑)
戦闘シーンのキレは後半に行けば行くほどあがっているようには思うのですけれど、やっぱりわたしのお勧めは「コインの雨」の戦闘シーンだと思います。