ブックスエコーロケーション

「SFとボクらの場所」をテーマにした本屋のブログです。実店舗はありません。開業準備中。

5月の読書のまとめ

読んだ本の数:5冊


絞首台の黙示録 (ハヤカワ文庫JA)

絞首台の黙示録 (ハヤカワ文庫JA)

■絞首台の黙示録 (ハヤカワ文庫JA)
 読書会用。ただただフェアであろうとする会話が続き、不意にまるでぼくのことを書いてもらえたような錯誤を得、しかし話は意外なかたちで収束する。なんとも感想の書きづらい小説で、でも嫌いになれないのは長年のファンだからということを引いてもやっぱりあるんだよなあ。読了日:05月22日 著者:神林長平


海辺の病院で彼女と話した幾つかのこと

海辺の病院で彼女と話した幾つかのこと

■海辺の病院で彼女と話した幾つかのこと
 タイトルからちょっと想像もつかないレベルでのアクションとバトルものでびっくりしたのだけれど、あとがきにあるタイトルよりかはいまのほうがよいのでそれはそれとなった。謎への情報の出し方とそこからの苛烈な展開、そしてラストへと持続するリーダビリティに、さすがだなぁと思った。なによりも女の子が肉感的でかわいいのがいいよね。読了日:05月07日 著者:石川博品


■クロニスタ 戦争人類学者 (ハヤカワ文庫JA)
伊藤計劃トリビュート』の1作であったことを失念して読んでいたので、ふむふむ構造は『虐殺器官』で設定周りは『ハーモニー』への目配せなんだなと素で読み取っていた。展開が似たような連続になってしまっていることと、感情移入する前にリリカルさを発揮されてしまうあたりで、どうしても散漫な印象を受けてしまった。読了日:05月05日 著者:柴田勝家


■さみしくなったら名前を呼んで (幻冬舎文庫)
 思春期の一時期を見事に切り取った短篇集。現代的な視点で、大人がこぼしてきてしまったのを丁寧にすくいあげるので、真っ只中のひとよりもまだこういう感覚がくすぶっているひとにするどく響く作品になってるんだよなぁ。やっぱりさすがだ。読了日:05月04日 著者:山内マリコ


ものするひと 1 (ビームコミックス)

ものするひと 1 (ビームコミックス)

■ものするひと 1 (ビームコミックス)
 この小説家は自分の中の詩人を殺すことなく書き続けられていてすごいなぁって思いました。対談で言うところの能天気さが必要っていうのはまさにこういうことなのだかなという、雰囲気が見事に描かれているような、そういうマンガでした。読了日:05月03日 著者:オカヤイヅミ


 あ、今月は漫画のまとめ読みしなかったみたいですね。ふむ、ゲーム(MOBA)が忙しすぎたか。

4月の読書のまとめ

読んだ本の数:3冊
読んだページ数:723ページ


よつばと!(14) (電撃コミックス)

よつばと!(14) (電撃コミックス)

よつばと!(14) (電撃コミックス)
 はー、一気に読んでしまった。めちゃくちゃおもしろかった。読了日:04月29日 著者:あずまきよひこ


本屋大賞2018 (本の雑誌増刊)

本屋大賞2018 (本の雑誌増刊)

本屋大賞2018 (本の雑誌増刊)
 献本で。2作コメント使っていただいております。読了日:04月21日


ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)

ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)

ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)
 読書会用。こいつは参ったね。こんなにイライラさせられる読書はほんとうに久しぶりだったね。こういう感情を想起させられる理由は明白で、彼の考えは利他的で高潔ですらあるにもかかわらず、そこに行動がついていっていない、大人と子どもの狭間の苦悩がよく描かれていて、「もっと上手くやればいいのに」と大人の視点でイライラしてしまうわけです。そうつまり読んでいるぼくはいつのまにか大人の側に立っているということなわけで、ふーむ、欺瞞とは述懐してしまいますな。読了日:04月06日 著者:J.D.サリンジャー


 この他にあとは志村貴子の『こいいじ』を8巻まで、山崎紗也夏の『シマシマ』を全12巻読みましたとさ。

やつはみ喫茶読書会四十九冊目『ライ麦畑でつかまえて』

ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)

ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)

 やつはみ喫茶読書会四十九冊目『ライ麦畑でつかまえて』@半杓亭

  • 日時:2018/04/07(土)開始16:00 終了17:30
  • 課題図書:J.D.サリンジャー野崎孝訳『ライ麦畑でつかまえて白水Uブックス
  • 作品内容:インチキ野郎は大嫌い!おとなの儀礼的な処世術やまやかしに反発し、虚栄と悪の華に飾られた巨大な人工都市ニューヨークの街を、たったひとりでさまよいつづける16歳の少年の目に映じたものは何か?病める高度文明社会への辛辣な批判を秘めて若い世代の共感を呼ぶ永遠のベストセラーにして、永遠の青春小説。
  • 場所:半杓亭
  • 参加費:お茶おやつ代1000円(この会でしか食べられない、おいしいおやつがでますよ~)
  • スケジュール:読書会16:00-18:00 二次会18:30-20:00
  • 定員:12名。要予約。開催の1週間前までにご連絡ください。定員に達した場合も告知いたします。またキャンセルされる場合はなるべく早めにご連絡ください。当日キャンセルをされる場合はキャンセル料をいただきます。あらかじめご了承ください。
  • 予約先:初めて参加されるかたは、yatsuhamicafe.reading(at)gmail.comに1.お名前と2.ご連絡先、3.過去に読書会に参加したことがあるか、4.アルコールの出る二次会の出欠を記載の上、ご連絡ください。※2、3日経ってもメールの返信がない場合はお手数ですが迷惑メールフォルダをチェックされるか、こちらの記事にメールした旨のコメントを書き込みください。
  • Twitterhttps://twitter.com/yatsuhamibook

今回も翻訳ミステリー大賞シンジケートさんに告知の後援をいただきました。ありがとうございます。
honyakumystery.jp