ブックスエコーロケーション

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やつはみ喫茶読書会四十六冊目『十角館の殺人<新装改訂版>』

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

 やつはみ喫茶読書会四十六冊目『十角館の殺人<新装改訂版>』@半杓亭

  • 日時:2017/09/30(土)開場15:00 開始15:30 終了18:00
  • 課題図書:綾辻行人十角館の殺人<新装改訂版>』講談社文庫
  • 作品内容:新本格ミステリ30周年! 十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の7人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける! 1987年の刊行以来、多くの読者に衝撃を与え続けた名作が新装改訂版で登場。
  • 場所:半杓亭
  • 参加費:お茶おやつ代1000円(この会でしか食べられない、おいしいおやつがでますよ~)
  • スケジュール:開場 受付開始15:00- 読書会15:30-17:30 二次会18:30-20:00
  • 定員:12名。要予約。開催の1週間前までにご連絡ください。定員に達した場合も告知いたします。またキャンセルされる場合はなるべく早めにご連絡ください。当日キャンセルをされる場合はキャンセル料をいただきます。あらかじめご了承ください。
  • 予約先:初めて参加されるかたは、yatsuhamicafe.reading(at)gmail.comにお名前とご連絡先、過去に読書会に参加したことがあるか、アルコールの出る二次会の出欠を記載の上、ご連絡ください。※2、3日経ってもメールの返信がない場合はお手数ですが迷惑メールフォルダをチェックされるか、こちらの記事にメールした旨のコメントを書き込みください。
  • Twitterhttps://twitter.com/yatsuhamibook

 今回は10名が参加されました。なかには京大ミス研や立ミス出身者もおり、いろいろと詳しいお話も伺えました。年代的にリアルタイムで読んでおられた人もあり、新装改訂版での読み直しで細部が変化している、特にページ替えによる1文がより効果が発揮されているのでは、という話がありました。また新本格ミステリの発端である今作が、ロジカルな推理による犯人当てそのものよりも、叙述トリックの驚きに伏線が注力されている構造がおもしろいのではないかという意見もありました。
 さて次回は11月25日(土)を予定しています。近々告知しますのでタイトルはいますこしお待ち下さい。

8月の読書のまとめ

読んだ本の数:7冊
読んだページ数:1831ページ


TYPE-MOONエースVOL.12 (カドカワムック)

TYPE-MOONエースVOL.12 (カドカワムック)

TYPE-MOONエースVOL.12 (カドカワムック)
 東出祐一郎さんのインタビューで『猫の地球儀』への言及があって、ふわあああ同世代!ってなりました。にしてもほんとにあと2章分を年内にやれるんでしょうか。日数的に。読了日:08月31日


あいどる (角川文庫)

あいどる (角川文庫)

■あいどる (角川文庫)
 うはあ、すごいSFだった。今作で際立ったギブスンの凄さはやはり都市への批評性だと思った。特に知っている場所であるということがここまで笑えるシーンへとつながるとは思わなかった。ガジェットと拡張された思考と、些細な事件とサブカルチャーが密接に絡んで結節点は明らかに新しい階梯を登るものってのがいやはやさすがだなぁ。この細部の厚みに読み始めはすごくじりじりするんだけれど、脳が慣れてくるとだんだん心地よくなっていくのも読書してるって感じがあっていい。読了日:08月24日 著者:ウィリアム・ギブスン


■虚構推理(1) (講談社コミックス月刊マガジン)
 ヒロインがかわいいし、異形が存在しているということを前提とした推理モノなのでここからどうなるのか、気になる。読了日:08月24日 著者:片瀬茶柴


■AIの遺電子(1)(少年チャンピオン・コミックス)
 なるほど。こういうテイストなのか。人と人に似た存在によって描かれる人間性の短篇連作もの。大きな下地になるストーリーとしては主人公の母にまつわる謎があるのかな。読了日:08月19日 著者:山田胡瓜


マロニエ王国の七人の騎士 1 (フラワーコミックスアルファ)
 岩本ナオの最新刊は中世ファンタジー。能力を秘めた7人の兄弟騎士たちが、岩本ナオのすごく身近で繊細なタッチで思い悩み、隣国との政治的な謀略に巻き込まれていく、この時点でもうかなり大好きなシリーズになることが確定的に明らかな、その1冊目!続きが楽しみだ!読了日:08月11日 著者:岩本ナオ


セカイ系とは何か (星海社文庫)
 現在流布している「セカイ系」の定義へと、どのように意味が変遷していったかをポスト・エヴァの文化史としてまとめてある良書。著者と同世代ではあるので当時の心持ちを思い出せるほど、きちんとした整理がなされていてすばらしい。一方で07-09年あたりの論壇へと波及していった流れ(『ゼロ想』は連載を読んではいたが)は抑えられていなかったので勉強になった。10年代に入っての流れも補足されいるし『まどマギ』への既視感を「ゼロ年代を総括した作品」と表現してあり納得した。とても資料性が高い1冊だった。読了日:08月07日 著者:前島賢


スクリプトドクターの脚本教室・初級篇

スクリプトドクターの脚本教室・初級篇

スクリプトドクターの脚本教室・初級篇
 4章まででいかに脚本に感情的なうねりを用意して、自己の思考の殻を破り、視聴者に伝えるのかが書いてある。倫理的なことを書いておけば必ずしもいい脚本にはならないのは確かにそうだなと思った。社会的な、ありもしない一般的という人の目を気にして、縮こまった小説しか書けていないぼくにはとても参考になった。後半はスクリプトドクターの仕事について。ノンクレジット契約の仕事というのには驚いた。読了日:08月07日 著者:三宅隆太

7月の読書のまとめ

読んだ本の数:2冊
読んだページ数:487ページ


■うちのクラスの女子がヤバい(1) (マガジンエッジKC)
 ちょっとした能力を持った女の子たちが主人公のクラスを舞台にしたオムニバスコミック。すごくアプローチが丁寧で、カースト的な描写がないのも一役買っているんだろうなぁ。最近のモーニングに読み切りが載っていてそれもすごくよかった。高校生のころの事件をおとなになって解決したという、そういう時間感覚がすごくよかった。
【モーニング35周年読み切り祭り】 〈CARNAVAL〉第17弾は、ガールズ・ストーリーの妙手・衿沢世衣子が本誌初登場で贈る『制服ぬすまれた』! - モーニング公式サイト - モアイ
読了日:07月24日 著者:衿沢世衣子


アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫SF)
 読書会用。再読して思ったのは、人間存在の孤独について書かれた物語なのだなということ。多種なガジェットが出てくるが、それがどれもテーマに密接に結びついているのだな。読了日:07月20日 著者:フィリップ・K・ディック