ブックスエコーロケーション

「SFとボクらの場所」をテーマにした本屋のブログです。実店舗はありません。開業準備中。

青春SF小説3

 調に進んでいるので特に書いてはいなかった執筆状況の進捗を久しぶりに。いや正確にはいつかのSkypeで浅羽くんにあんまりこういう記事を書かないほうがいいのでは、と言われ、そういうものなのかなと思って今日に至るのだ。
 でも昨夜ラノベ作家を目指してがんばった人のホットエントリを読み、Excelで時系列にそった活動記録を残していたという記述を読み、そうか年間を俯瞰するという意味で確かにいいかもなと思い、さっそくやってみた。ところが特に正確な年月日をつけて残してこなかったので、なかなか活動記録をつけるのに苦戦したのだった。それでもまぁどうにか社会人になってからこっちの投稿履歴を書き出すことに成功した。それはやっぱり迷い勘違いしながらおろおろと小説について書いてあるこのブログを読み直すことができたからだ。その時々の単なる記録だけでなく、感情の揺れまで見せつけられてぐったりもしたけれど。でもきっとそういうものをその時々に封じているからこそ、陶冶の効果もあるんだろうなとも。
 さて、表題の進行状況を。プロットについて、章構成は当初に較べれば変わりつつはあるけれどできている。大筋のテーマさえブレなければ大丈夫だろうと柔軟に。キャラクターも街もだんだんとつかめてきているように思う(なんと主人公の名前も決まった!)。ちょっと会話だけで話を進めてしまう傾向があって、それでどうにか本文を執筆したことにしているけれど、地の文や描写はあとから追加するためにとにかくストーリーを進めてしまおうと思っている。SF的な設定の補完のために資料を読みたいところだけれど、いまのところピンと来たものがないのでこれは保留中。それで実際のところの進捗状況は……6章構成で1章半ば。今年の9月末の、半年後の締切を目指しているけれど、さてさてどうなることやら。前作の長篇執筆にくらべれば遥かにハイペースではあるので、確かに成長はしてるんだけど。

スクリプトドクターの脚本教室・初級篇

スクリプトドクターの脚本教室・初級篇

 いまはこれを読み読み、なるほど反転攻勢か、それはこのあたりに入れるかな、と柔軟さを意識して引き続き書いていこうと思っている。

やつはみ喫茶読書会四十三冊目 『私自身の見えない徴』

 やつはみ喫茶読書会四十三冊目 エイミー・ベンダー『私自身の見えない徴』@半杓亭
 2017/04/01(土)開場15:00 開始15:30 終了18:00*1
 課題図書:エイミー・ベンダー『私自身の見えない徴』角川文庫
 作品内容:10歳の時に父親が原因不明の病になり、モナは「止めること」を始めた。唯一続けたのは木をノックすること、そして数学。父の病は癒されず、世界は色を失いながら彼女は大人になった。20歳を過ぎたある日、小学校で算数を教えることになったモナ。個性ばらばら、手に負えない子供たちと交わりながら、閉じていた彼女の世界が否応なく開かれてゆく――。現代アメリカ文学の明るい、新たな可能性が垣間見える、著者初の長篇傑作。
 場所:半杓亭
 参加費:お茶おやつ代600円(この会でしか食べられない、おいしいおやつがでますよ~)
 定員:12名。要予約。開催の1週間前までにご連絡ください。定員に達した場合も告知いたします。またキャンセルされる場合はなるべく早めにご連絡ください。当日キャンセルをされる場合はキャンセル料をいただきます。あらかじめご了承ください。
 予約先:初めて参加されるかたは、yatsuhamicafe.reading(at)gmail.com宛に、1.お名前、2.ご連絡先、3.過去に読書会に参加したことがあるか、4.アルコールの出る二次会の出欠、を記載のうえご連絡ください。

 無事に終了しました~。今回は6名のかたにご参加いただきました。ありがとうございました。マジックリアリズム的な街や設定、多様な比喩をどうのように読み解くのか、リフレインするモチーフを拾っていくと見えてくるもの、最初の寓話の、最後の語り直しについてなど、いろいろな感想が出て、やはり噛みごたえのある作品は盛り上がるのだなと思ったのでした。よかったよかった。
 さて次回は6/11(日)を予定しています。なんとお寺とのコラボ企画。坐禅会をやってからの読書会です。詳細はまた後日アップします。なお坐禅会への申込みは半杓亭さんへお願いします。

*1:場所を移動して行う、アルコールの出る二次会もあります。お問い合わせ下さい。

3月のまとめ

読んだ本の数:12冊
読んだページ数:2746ページ

■私自身の見えない徴 (角川文庫)
 読書会用。繊細であることと独りよがりであること、ああこういうふうに悩んでいたなぁという置いてきた共感とが、湿度の高い筆致で丁寧に描かれていた。細部の不可思議さは確かにエイミー・ベンダーの短篇と共通する部分があるとは言え、リアリティ・ラインはまったく現実に根差してあり、モナにはそう見えているということに他ならないのだろうな。それがきっと苦戦した理由だろうと思っている。読了日:03月30日 著者:エイミー・ベンダー


双星の陰陽師 9 (ジャンプコミックスDIGITAL)双星の陰陽師 8 (ジャンプコミックスDIGITAL)双星の陰陽師 7 (ジャンプコミックスDIGITAL)双星の陰陽師 6 (ジャンプコミックスDIGITAL)双星の陰陽師 5 (ジャンプコミックスDIGITAL)双星の陰陽師 4 (ジャンプコミックスDIGITAL)双星の陰陽師 3 (ジャンプコミックスDIGITAL)双星の陰陽師 2 (ジャンプコミックスDIGITAL)双星の陰陽師 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
双星の陰陽師 1~9 (ジャンプコミックス)
 ジャンプスクエアで連載中の陰陽師バトルもの。アニメ化もされている。ひとつ屋根の下でいがみ合うふたりが因縁深い過去と目前の危機とを乗り越えていくことで、仲を深めていく。本土篇が一区切りしたところまで読んだ。次巻から島篇なんだけれど、あとがきに本来は1話後にすぐ島へ向かう展開だったと書かれており、なるほど!これが長篇化なのか!と長期連載(ここまでで3年ぐらいかかってる)のそれなのかと思った。でもそのかわりきっとろくろの過去や紅緒の過去が丁寧に描かれることで、結果的に双星が強調されていたのだな。時折ふたりが見せる凛々しくも幼い表情はすばらしい。キメの表情がほんとにうまい人なんだよなぁと。デフォルメもかわいいし。
読了日:03月23日、24日 著者:助野 嘉昭


ORIGIN(1) (ヤングマガジンコミックス)

ORIGIN(1) (ヤングマガジンコミックス)

■ORIGIN(1) (ヤンマガKCスペシャル)
 Boichiによるハイスピードロボットアクション!圧倒的描き込みと崩しのバランスがすばらしい。すこしズレたオリジンの感覚がコミカルでいいスパイスになってると思う。読了日:03月09日 著者:Boichi


地底旅行 (岩波文庫)

地底旅行 (岩波文庫)

■地底旅行 (岩波文庫)
 1860年代の、当時最先端の科学的な知見を積み重ねることによって、いまでも読むに耐える冒険小説になっていた。こういう姿勢は確かにSFだ。キャラクターも魅力的できちんとデフォルメされていて笑えた。でもまさか3分の1を過ぎても地表にいるとは思わなかったぜ!w 地表の移動も読ませどころなのだとはわかるけれど。地球空洞説というのがあったんだなぁということと、プレートテクトニクスが提唱されたのが1960年代という事実を読了後に知り、そんな最近なのかと驚いた。読了日:03月08日 著者:ジュール・ヴェルヌ