ブックスエコーロケーション

「SFとボクらの場所」をテーマにした本屋のブログです。実店舗はありません。開業準備中。

やつはみ喫茶読書会四十二冊目『本屋さんのダイアナ』

本屋さんのダイアナ(新潮文庫)

本屋さんのダイアナ(新潮文庫)

 やつはみ喫茶読書会四十二冊目 柚木麻子『本屋さんのダイアナ』@半杓亭
 2017/01/28(土)開場15:00 開始15:30 終了18:00*1
 課題図書:柚木麻子『本屋さんのダイアナ新潮文庫
 作品内容:私の名は、大穴(ダイアナ)。おかしな名前も、キャバクラ勤めの母が染めた金髪も、はしばみ色の瞳も大嫌い。けれど、小学三年生で出会った彩子がそのすべてを褒めてくれた――。正反対の二人だったが、共通点は本が大好きなこと。地元の公立と名門私立、中学で離れても心はひとつと信じていたのに、思いがけない別れ道が……。少女から大人に変わる十余年を描く、最強のガール・ミーツ・ガール小説。
 場所:半杓亭
 参加費:お茶おやつ代600円(この会でしか食べられない、おいしいおやつがでますよ~)
 定員:12名。要予約。定員に達した場合も告知いたします。
 予約先:初めて参加されるかたは、yatsuhamicafe.reading(at)gmail.comにお名前とご連絡先、アルコールの出る二次会の出欠を含め、ご連絡ください。

 定員に達しました。満員御礼。ありがとうございます。
 今回は課題図書がよかったのか、タイミングの問題か、新しい参加者が半分を数えました。うち2名のかたから当日キャンセルがあり、実際は10名での会となりました。次回からはこのあたりをちゃんとしないとなぁと思いました。
 個人的にも読書そのものがすごく楽しめた本でしたので、参加者の方々も同様に、小説の構成や引用された少女小説、ふたりのキャラクターの関係性などなど自身に引きつけて語っていただけたように思いました。なかでも今回は司会としての役割をしっかり果たせたな、みなさんにちゃんと話してもらえたなという実感がありました。次回も活かしていきたいですね。
 さて次回は4/1(土)です。タイトルはエイミー・ベンダー『私自身の見えない徴』角川文庫です。よろしくお願いします。

*1:場所を移動して行う、アルコールの出る二次会もあります。お問い合わせ下さい。

12月のまとめ

読んだ本の数:10冊
読んだページ数:1883ページ

人類と建築の歴史 (ちくまプリマー新書)

人類と建築の歴史 (ちくまプリマー新書)

■人類と建築の歴史 (ちくまプリマー新書)
 よい本だった。概論としては先史時代が長く感じるが、そこは著者の専門のためだろうとわかるのでよし。要所要所で単に技術や材料だけではない、もっと精神性から生じる建築に言及されていて、そこが普遍的でおもしろかった。あとはあめ玉の比喩がイメージしやすくてよかった。読了日:12月30日 著者:藤森照信



夜想曲集: 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語 (ハヤカワepi文庫)

夜想曲集: 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語 (ハヤカワepi文庫)

夜想曲集: 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語 (ハヤカワepi文庫)
 カズオ・イシグロの短篇集。作中にゆるやかなつながりがあってそれに気がつくとおおと驚かされるが、なにより通底するテーマ「音楽」「才能」「ありえた未来と選択」が同じなのでその変奏の多芸ぶりに舌を巻いた。骨太の小説を読んだなぁと思える短篇集だった。特に好きなのは思わず何度も笑ってしまった「夜想曲」だろう。というかこの内容でこのタイトルをつけられるのがすごいなぁw 読了日:12月28日 著者:カズオイシグロ


春の呪い: 2 (ZERO-SUMコミックス)

春の呪い: 2 (ZERO-SUMコミックス)

■春の呪い 2 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)
読了日:12月24日 著者:小西明日翔


乙嫁語り 9巻 (ビームコミックス)
読了日:12月14日 著者:森薫


重版未定

重版未定

■重版未定
つらい、がおもしろい!注文を受けないシーンでは思わず「マジか!」ってなりましたw 読了日:12月7日 著者:川崎昌平


シビル・ウォー【限定生産・普及版】 (MARVEL)

シビル・ウォー【限定生産・普及版】 (MARVEL)

■シビル・ウォー【限定生産・普及版】 (MARVEL)
 構造上、仕方のないこととはいえ、キャラクターが多くもっと各人を掘り下げて読みたかった、などというのは今作以外のシビル・ウォーを読むほうがいいのだろうなぁきっと。にしてもわりかし死が重く、それでいて転生であったり復活であったりという描かれかたをするのが興味深かった。読了日:12月5日 著者:マーク・ミラー


■波よ聞いてくれ(3) (アフタヌーンKC)
読了日:12月3日 著者:沙村広明


アリスと蔵六 7 (リュウコミックス)
読了日:12月2日 著者:今井哲也


■1518! イチゴーイチハチ! 3 (ビッグコミックス)
読了日:12月2日 著者:相田裕


ベアゲルター(3) (シリウスKC)

ベアゲルター(3) (シリウスKC)

■ベアゲルター(3) (シリウスKC)
読了日:12月2日 著者:沙村広明

やつはみ喫茶読書会2016の忘年会

 昨夜、市内某所にて、やつはみ喫茶読書会の2016年の忘年会が行われた。
 ただふつうに飲み会をやってもいいのだけれど、読書会の忘年会なのだからそれだけではちょっと物足りない、ということで「今年の1冊を持ち寄る」ことにした。
 本の紹介の始まりがけっこう座が盛り上がったタイミングであったため、ぼく自身がかなり酔っていてさほどメモできてないので、以下、順に会で持ち寄られた本をかんたんに紹介する。


魂の退社

魂の退社

 Nさんは「友人にすすめられた人生に役に立つ本」として『魂の退社』を紹介されました。「元新聞記者の人が書いた自分の行き方についてエッセイ」


エドウィン・マルハウス―あるアメリカ作家の生と死

エドウィン・マルハウス―あるアメリカ作家の生と死

 Mさんは「文庫版がでたのにわざわざ単行本を買い直したほど好きな小説」として『エドウィンマル・ハウス』を紹介されました。「一瞬一瞬を言葉にする大変さを実感する1冊」


早わかり世界の六大宗教 (朝日文庫)

早わかり世界の六大宗教 (朝日文庫)

 Tさんは「この本を読んで、別の本の宗教をからめた比喩がよくわかった」として『早わかり世界の六大宗教』を紹介されました。「日本で身近な宗教ということで神道が含まれ六大宗教」


 Yさんは「忍者目線の戦国時代とその戦が読めておもしろかった」として『とっぴんぱらり風太郎』を紹介されました。「万城目学なので、キャラクターも立っていて楽しい」


ダイナー (ポプラ文庫)

ダイナー (ポプラ文庫)

 MYさんは「スティーブン・キング×山田風太郎!」として『ダイナー』を紹介されました。「殺しの描写がすごいし、料理の描写もほんとうにおいしそう」



 Rさんは「『自生の夢』にするか『スパイダーバース (MARVEL)』にするかで悩んで」『角砂糖の日 新装版』を紹介されました。「書き下ろし掌編もつくし、とにかく装丁がすばらしい1冊」


すべての見えない光 (新潮クレスト・ブックス)

すべての見えない光 (新潮クレスト・ブックス)

 Kさんは「第二次世界大戦下のボーイ・ミーツ・ガールが明快なストーリーと美しい文章で描かれる1冊」として『すべての見えない光』を紹介されました。「小説の全部がある」


スペース金融道

スペース金融道

 さいごはぼくで「SFと金融という難解同士のかけ算でめっちゃおもしろい」として『スペース金融道』を紹介しました。「それでいて作者が持つ人への信頼が通底しているのがすごく好き」


 以上です。
 次回のやつはみ喫茶読書会四十二冊目は年明け2017年1月28日(土)で、課題図書は柚木麻子『本屋さんのダイアナ (新潮文庫)』です。来年もよろしくお願いします~。