ブックスエコーロケーション

「SFとボクらの場所」をテーマにした本屋のブログです。実店舗はありません。開業準備中。

12月のまとめ

読んだ本の数:10冊
読んだページ数:1883ページ

人類と建築の歴史 (ちくまプリマー新書)

人類と建築の歴史 (ちくまプリマー新書)

■人類と建築の歴史 (ちくまプリマー新書)
 よい本だった。概論としては先史時代が長く感じるが、そこは著者の専門のためだろうとわかるのでよし。要所要所で単に技術や材料だけではない、もっと精神性から生じる建築に言及されていて、そこが普遍的でおもしろかった。あとはあめ玉の比喩がイメージしやすくてよかった。読了日:12月30日 著者:藤森照信



夜想曲集: 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語 (ハヤカワepi文庫)

夜想曲集: 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語 (ハヤカワepi文庫)

夜想曲集: 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語 (ハヤカワepi文庫)
 カズオ・イシグロの短篇集。作中にゆるやかなつながりがあってそれに気がつくとおおと驚かされるが、なにより通底するテーマ「音楽」「才能」「ありえた未来と選択」が同じなのでその変奏の多芸ぶりに舌を巻いた。骨太の小説を読んだなぁと思える短篇集だった。特に好きなのは思わず何度も笑ってしまった「夜想曲」だろう。というかこの内容でこのタイトルをつけられるのがすごいなぁw 読了日:12月28日 著者:カズオイシグロ


春の呪い: 2 (ZERO-SUMコミックス)

春の呪い: 2 (ZERO-SUMコミックス)

■春の呪い 2 (IDコミックス ZERO-SUMコミックス)
読了日:12月24日 著者:小西明日翔


乙嫁語り 9巻 (ビームコミックス)
読了日:12月14日 著者:森薫


重版未定

重版未定

■重版未定
つらい、がおもしろい!注文を受けないシーンでは思わず「マジか!」ってなりましたw 読了日:12月7日 著者:川崎昌平


シビル・ウォー【限定生産・普及版】 (MARVEL)

シビル・ウォー【限定生産・普及版】 (MARVEL)

■シビル・ウォー【限定生産・普及版】 (MARVEL)
 構造上、仕方のないこととはいえ、キャラクターが多くもっと各人を掘り下げて読みたかった、などというのは今作以外のシビル・ウォーを読むほうがいいのだろうなぁきっと。にしてもわりかし死が重く、それでいて転生であったり復活であったりという描かれかたをするのが興味深かった。読了日:12月5日 著者:マーク・ミラー


■波よ聞いてくれ(3) (アフタヌーンKC)
読了日:12月3日 著者:沙村広明


アリスと蔵六 7 (リュウコミックス)
読了日:12月2日 著者:今井哲也


■1518! イチゴーイチハチ! 3 (ビッグコミックス)
読了日:12月2日 著者:相田裕


ベアゲルター(3) (シリウスKC)

ベアゲルター(3) (シリウスKC)

■ベアゲルター(3) (シリウスKC)
読了日:12月2日 著者:沙村広明

やつはみ喫茶読書会2016の忘年会

 昨夜、市内某所にて、やつはみ喫茶読書会の2016年の忘年会が行われた。
 ただふつうに飲み会をやってもいいのだけれど、読書会の忘年会なのだからそれだけではちょっと物足りない、ということで「今年の1冊を持ち寄る」ことにした。
 本の紹介の始まりがけっこう座が盛り上がったタイミングであったため、ぼく自身がかなり酔っていてさほどメモできてないので、以下、順に会で持ち寄られた本をかんたんに紹介する。


魂の退社

魂の退社

 Nさんは「友人にすすめられた人生に役に立つ本」として『魂の退社』を紹介されました。「元新聞記者の人が書いた自分の行き方についてエッセイ」


エドウィン・マルハウス―あるアメリカ作家の生と死

エドウィン・マルハウス―あるアメリカ作家の生と死

 Mさんは「文庫版がでたのにわざわざ単行本を買い直したほど好きな小説」として『エドウィンマル・ハウス』を紹介されました。「一瞬一瞬を言葉にする大変さを実感する1冊」


早わかり世界の六大宗教 (朝日文庫)

早わかり世界の六大宗教 (朝日文庫)

 Tさんは「この本を読んで、別の本の宗教をからめた比喩がよくわかった」として『早わかり世界の六大宗教』を紹介されました。「日本で身近な宗教ということで神道が含まれ六大宗教」


 Yさんは「忍者目線の戦国時代とその戦が読めておもしろかった」として『とっぴんぱらり風太郎』を紹介されました。「万城目学なので、キャラクターも立っていて楽しい」


ダイナー (ポプラ文庫)

ダイナー (ポプラ文庫)

 MYさんは「スティーブン・キング×山田風太郎!」として『ダイナー』を紹介されました。「殺しの描写がすごいし、料理の描写もほんとうにおいしそう」



 Rさんは「『自生の夢』にするか『スパイダーバース (MARVEL)』にするかで悩んで」『角砂糖の日 新装版』を紹介されました。「書き下ろし掌編もつくし、とにかく装丁がすばらしい1冊」


すべての見えない光 (新潮クレスト・ブックス)

すべての見えない光 (新潮クレスト・ブックス)

 Kさんは「第二次世界大戦下のボーイ・ミーツ・ガールが明快なストーリーと美しい文章で描かれる1冊」として『すべての見えない光』を紹介されました。「小説の全部がある」


スペース金融道

スペース金融道

 さいごはぼくで「SFと金融という難解同士のかけ算でめっちゃおもしろい」として『スペース金融道』を紹介しました。「それでいて作者が持つ人への信頼が通底しているのがすごく好き」


 以上です。
 次回のやつはみ喫茶読書会四十二冊目は年明け2017年1月28日(土)で、課題図書は柚木麻子『本屋さんのダイアナ (新潮文庫)』です。来年もよろしくお願いします~。

11月のまとめ

読んだ本の数:8冊
読んだページ数:1710ページ

夕凪の街 桜の国 (双葉文庫)

夕凪の街 桜の国 (双葉文庫)

夕凪の街 桜の国 (双葉文庫)
 再読。こんなにも短い物語だったんだな。自分のなかのほとんど残ってもいないはずだった義憤が、また刺激される。でもそれはきっと作者の目指したものとはきっとズレているんだろうとも思った。読了日:11月26日 著者:こうの 史代


スペース金融道

スペース金融道

■スペース金融道
 宮内悠介のSF金融コメディ。決め台詞と設定が繰り返されるのがTVシリーズっぽさがあって、この続きをまだ読んでいたくあった。なんどか声を出して笑ってしまった。SF的な設定の妙もあるし、なによりそれらがキャラクターの魅力になっている。鯨姫やザックはもっと出てき欲しかったなぁ。あとこれはもしかして勘違いかもしれないけれど不死身の「ぼく」の名前の由来、もしかしてキリヤ・ケイジから? 読了日:11月24日 著者:宮内 悠介


げんしけん 二代目の十二(21)<完> (アフタヌーンKC)
 今回も描き足されていることによって、各キャラの感情の流れがわかりやすくなっているように思った。とにもかくにもお疲れ様でした。読了日:11月22日 著者:木尾 士目


この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)
 ああ、あと台風のシーンがカットされているんだな。読了日:11月22日 著者:こうの 史代


この世界の片隅に 中 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 中 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 中 (アクションコミックス)
 そうか、あの帳面のやぶれた部分は、そこにつながったわけか。すずの情念の部分がマンガでははっきり描かれているんだなぁ。読了日:11月22日 著者:こうの 史代


この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)
 映画を観たので再読。初読時には見過ごしていた部分が、映画で強調されていたことによって気がつけて、また読み方が変わったように思う。あと思いのほか筆で描かれているんだなと思った。読了日:11月21日 著者:こうの 史代


■死の鳥 (ハヤカワ文庫SF)
 読書会用。スタイリッシュであることと小説がめちゃくちゃ巧いことはほんとによくわかるのだけれど、思いのほか読むのが大変だった。ただどれもイメージ喚起力にあふれた文体だと思った。特に好きなのが「チクタクマン」と「世界の縁にたつ都市をさまよう者」「ランゲルハンス島沖を漂流中」か。読了日:11月20日 著者:ハーラン・エリスン


百年の誤読 (ちくま文庫)

百年の誤読 (ちくま文庫)

■百年の誤読 (ちくま文庫)
 このすばらしい試みに賞賛を。たとえ当時ベストセラーにあっても、いまでも読めるものとそうでないものの、その差がはっきり出ていて、それだけでもこの本を読めてよかったと思えるのでした。そして何よりも読みたくなる本が増えるのが、読書ガイドとしても面白く読めたってことですね。読了日:11月04日 著者:岡野 宏文,豊崎 由美